「自分の人生に申し訳ない」会社を辞めたあの日の話をしよう




「このままここにいても自分の人生に申し訳ない」

会社を辞めるために常務と面談した時に言った言葉です。会社を作り上げてきた常務相手に私はなんてことを言ってるんや…。
冷静に振り返ると自分すごいな…どうかしてたのかな…と思うのですが、これが1番の本心でした。常務は40代の女性で言いやすい雰囲気だったというのもあります。

「やりたいことがあります。他の世界を見たいです。お願いですからここから出してください」

こんな思いでした。思いだけじゃなく、言葉としてもしっかり伝えました。新卒は引きとめられてなかなか辞められないと聞いていたので、はっきり言おうと思い…。(あぁ思い出すたび申し訳ない)

働いていた頃、勤務時間中は会社の中でした。ずっとパソコンの前って感じだったので。たまに自分のいるフロアから下の階に行くために階段を降りると、踊り場からとってもきれいな青空が見えて。「あぁ、めっちゃ鳥の気分…籠の中の鳥ってこんな気分なのかな…」といつも思っていました。

「お願いです。籠の鍵を開けてください」

この仕事が嫌いとかそういうのじゃない。でもここを離れたい。自分のために。自分の人生後悔しないために。ずっとそんな風に「お願いだから、お願いだから」という気持ちで話していました。具体的にやることなんて決まってなくて、もちろん次の職探しもしてなくて。(転職のために辞めたというより、とにかく好きなことをしたかった)

世間には色々な目があります。大抵の人からは「どの会社だって同じだよ」「新卒だからそんなに辞めたいんだろうね」「私の前のところはもっときつかったよ」と言われました。嫌味ではなく、私のことを心配して言ってくれていたのは分かっています。自分が甘いことだって重々承知。

でもそんな時、会社に強力な味方がいてくれました。

「24歳でしか感じられないものがある、いいから羽ばたけ」

「頑張れとは言わない。でもこんなところで『負けないで』」

「苦労には2つある。あなたが今しているのはやらなくてもいい苦労」

どれも私にとって大切な、大切な言葉です。
辛くて泣いていると、「こんなところで潰れるな。こんなことで泣かなくていい。おかしいのはあなたじゃない」と言ってくれました。肯定してくれる存在がいるだけでこんなに楽になるんだなあと思いました。

「しなくてもいい苦労」がある、と知れたのも新卒の私には大きかったです。新卒で入って他を知らないと、どうしてもその会社・仕事が全てになるし、周りを見られなくなるのだと思います。「今、辛いのは私が弱いからだ」とか「社会は理不尽なのが当たり前なんだから、ここで踏ん張らないと」とかそんなことを考えていました。意外と辞めてもなんとかなるし、世間には色んな仕事と働き方があるのにね。

自分にかける言葉を間違えていたなあ…。今ならそう思えます。心と体が一緒になってなくて、どちらかだけが先走って、どちらかが置いてきぼり。ありがたい言葉をもらったおかげで、やっとちゃんと自分と向き合えて、自分にかける言葉が分かり、自分がやるべきことがはっきりしました。

それが私は「会社を辞めること」でした。もちろんそこで「その場所で頑張る」という選択の人もいると思います。どんな選択も正解なんだと思います。自分と対話して出した結論なら。

私はいつも「自分が納得して出した結論ならどんな答えもマイナスじゃない」と考えています。高校生くらいからかな?ずっとこの考えでやってきています。
周りの人からびっくりされるような選択をしたり、はたから見ればネガティブな方を選んだりしても、私はめちゃくちゃポジティブな気分で飄々としていました(笑)
自分に自信があるっていうわけではなく、自分が納得してるから。こっちにいっても後悔しないって分かってるから。というか後悔しそうになったら、そうならないように全力で頑張るから(笑)

前職では素敵な友達との出会いもあって、別れはやっぱり寂しくて、最終日は涙が出たりもしたけれど、辞めて後悔した日は1日もありません。後悔したらそれこそ「自分の人生に申し訳ない」ので、とにかくそうならないように、自分が思うように歩いてみました。

でも、前職の仕事自体はとっても好きで。日本中探してもあの仕事をしている人はほとんどいないレアな仕事で、そこでしかできないことだったので、前の会社に入ったことを後悔したこともありません。もう1回就活しても私はあの会社を選ぶと思います。そして、また同じタイミングで辞めています。

誰から始まったのか「3年は頑張る」という考えが一般的ですが、私にとっては前の会社にいた1年9ヶ月で充分3年分でした。「もう大丈夫です」って気分でした。結局自分次第じゃないのかな。

社会がなんと言おうと、人生は自分のものでしかないのだし。

「人生が何回もあるなら、ここで頑張るのもいいかもしれない。でも1回だけ、1回しかないんだから。早く辞めなさい」

これも最強の味方からもらった言葉。この方は私よりもずっと年上なので、いつでもはっきり言ってくれました。人生1回しかないって結構な賭けだよなあ。これからのことだって何にも分からないけれど、ちゃんと自分の心と向き合ってやっていきたい。

そして、あの頃の自分と同じような人を見つけたら、私にとって味方がいてくれたように、そっと手を差し伸べられる人になりたい。そのためにはまずは自分が心にゆとりを持っていなくちゃな。